2017年6月21日水曜日

悪者扱い

オオワシが 空から 急な角度をつけて 降りて来て

ボクのポテっとした両肩をつまみ上げ ボクを持ち上げながら空へ 飛び上がった

何をされるかという恐怖心よりも 
地上に足も声も届かないほどの高さに連れて来られた恐怖心よりも

何よりも 己の醜く熟れた ワガママボディを 必死に掴んだオオワシの握力とその爪と
その重さが 地球に引き寄せられることによっての起こる 両肩への激痛が ボクを苦しめた

何千年と 人間が夢を見た その大空を羽ばたくという それが 
その時のボクには ただの ただの苦痛でしかなかった

そこで目を覚ました  真夜中だった ひどい肩こりだった

ニンテンドーDSとクロノ・トリガーというゲームを引っ張り出して
眠りに落ちるギリギリまでやっていたこと それが 原因だろう

ひどい夢から覚めてから安心からか 妙に冷静だったボクは

少し肩のストレッチをしてから枕を直して またすぐに眠りに落ちた


明けたのその日は日曜だった 少しだけ寝不足を感じた寝起きだったが

いつもと違う朝の気配と匂いで 妙に集中力が高まり ペンを取り仕事を始めた


気がつくと 正午を過ぎていた 

ボクにだって お昼ゴハンを 食べ忘れることもある

かといって 食べないのもイヤなので  洋食屋へ行く

お店に入ったのは 15時少し前だったけど

テーブル席はだいたい埋まっていて 皆 それぞれのカレーを食べていた

ボクがカウンターに座ると  対角線上に座っていたおじさんのところにも
カツカレーが 運ばれて来た

しかし ボクの腹は決まっていたので ささみフライ定食を注文した


15時が過ぎたころ まだ パラパラと お客さんが入ってくる

テーブル席が どんどんと空いてゆくのに反して  カウンター席が
一名様のおじさん達で 埋まってゆき 皆それぞれのカツカレーを注文する

小さな音で かかっていたテレビから 大きな笑い声がすると
皆が テレビに注目するが 会話は一つもない


遅く起きたのか 朝飯が遅かったのか ランチ難民なのか
それぞれの おじさんたちが 一人で静かに 昼食を食べている

その光景で 伊坂幸太郎先生の ”死神の精度” のレコードショップに集う死神たちのことを
思い出していた


お店に入るときに手にとって結局読まなかった というより 
読む勇気のなかった写真週刊誌を 棚に戻して  

あの頃より 年老いたおばちゃんにお金を支払い

疲れた様子のマスターに ごちそうさまでしたと 挨拶をして 店を出る


外に出ると 街に馴染む様子のない 作りかけの大きな大きなショッピングモール
 

あと5年 この先5年で 少しずつだったりときには大きく 街が変わってゆく

好きな店がなくなる寂しさと 今までのように この街が好きでいられるかという不安が 込み上げる

それを 少しでも消化しようと  なるべくシンブルめなドラムの曲が聴きたくなったけど

イヤホンを家に忘れて来てしまったので 誰にも聴こえないように口ずさんで 帰った


日曜日の 過ごし方



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