少し傾いたところに車を停めて シートを倒し
昼寝をしようとマブタを閉じようとしたけど
目の前が見事な青空で マブタを閉じることを止めてしまった
斜めに傾いたフロントガラス切り取った青空も やはり斜めに傾いた
それはまるで 世界がいんでいるようだった
そんな歪み出した世界に 水平線を引いてやれと差し出した
その人差し指から コイケヤスコーンの匂いがした
一気に覚めた 慣れないキザなことなんて するもんじゃないなと
マブタを閉じて 結局昼寝をすることにした
1月というのに とても暖かくて その日は最高の昼寝日和だった
2月になったと思えば スーパーの入り口付近には鬼の面と
豆が各種高々とつまれ その先に見えた伊予柑が妙に食べたくなったので
伊予柑を買って帰った 翌朝に食べることにした
久々の伊予柑の皮剥きは 思ってたより少し力が必要であったが
剥けた瞬間に広がる香りにボクは小さく歓喜し 一瞬 清々しい気持ちなった
それから車を走らせ 仕事場へ行き 掃除でもしようとしたときに
また自分の手から 伊予柑の香りがした また小さく歓喜した
でも伊予柑を買ったスーパーのこと思い出し
豆 買っておけばよかったな と小さな後悔がボクにとり憑いてきた
今日は節分
世界中の鬼たちが 外に追い出されて 行き場失くしてしまう日
言葉が溢れてきて 行き場を失くしたその言葉に押しつぶされて 死んでしまいそうだ
だから 眠ってしまおう
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