2015年4月23日木曜日

ケチャップの代わりになるものなんてないんだよ

qある日の帰り道 車を運転中

あの川に沿った あの道

無理矢理 路肩に停車させた軽トラックから

ヤンキー風の男性が 一人で降りてきて スマホで自撮していた

その道沿いに咲いていた 桜をバックに スマホで自撮していた


桜の花は 美しい
人のを立ち止まらせ 目も心も奪さるほどに 美しい



そのとき ボクはなんとなく 思い出した歌を 口ずさんだ

「花びらのように散りゆく中で 夢みたいに 君に出会えた奇跡」


なんとなくの場面で なんとなく口ずさんだり 思い出したりする歌を
「あ そういう意味だったんだ」とか 今までしてこなかったような解釈や
発見をして また 好きになったりするもんだ が


しかし その日 思い出した その歌は 
初めて聴いたときに感じた 違和を ただ蘇らせるだけだった

「花びらのように散りゆく中で? セイ イエー?」

当時のCMか何かで聴いて 脳裏にこびりついた歌詞だけ歌っても
その曲の全部を聴いていなければ 

いくら考えても その曲を理解できるはずもない

 自分の欠落した 感受性や読解力 に嫌悪感を抱きながらも


それでボクは 「ま、いいか」と つぶやいて


助手席に投げてあった iPodで 春らしい曲を探した

4000曲は入っているはずなのに
1曲も 春らしい曲は入っていなかった 


ボクの音楽の偏りと 乏しさにまた 嫌悪感を抱いた




思い出してみれば iPodを買ったのは 
今から十数年前

マイファースト iPodは 
真白のボディに ボタンがオレンジに光り 液晶は白黒のモノだった

その当時 その数年前まで 白いイヤフォンといえば
入院したときに テレビを観るためのヤツ という認識だった が

アップルコンピュータの新提案により 白いイヤフォンは

めっちゃかっこいいアイテムへと 一気に格上げした


見た目に限らず そのiPodという ガゼットは 
大きなデータが保存でき 外に持ち出せ 持ち歩け
しかも 音楽が聴けるという 革命的なガゼットだった



その当時の出来事

東武東上線 池袋駅 メトロポリタン口改札

あいつは ピカピカの白いイヤフォンをして 
右手には その夢のガゼットを持ち
体を小刻みにゆすりながら 現れた

まるで あの時の そのCMのようだった


「iPod買ったんだ!」ボクは あいつに話かけた

「おぉ。」 さっきまでノリノリだったあいつは 返事を濁した

まさかと思い 彼のiPodをのぞくと 曲は1曲も入っていなかった


彼は iPod以前に パソコンを持っていなかった


ボクらは それから黙って 電車に乗って 黙ったまま大学へ向かった

友達になったばかりの ボクらには 拷問のような時間だった


結局 ボクは それがキッカケで なんだか気まずくなり

その彼と 友達でいることを やめてしまった




いつの間にか 黒いボディになっていた iPodを見ながら

そんなことを 思い 思い出していた ある春の日の 記録


アイツの iPodは 未だに空っぽなのか


いや 空っぽなのは ボクのほうだった


2015年4月5日日曜日

ベーコンは焦げてるくらいが ちょうどいいのさ


キャンプが好きな理由は 

「生きる」ことを感じられるから 
とか そんな哲学的っぽいような そんなかっこいい理由じゃなくて


焚き火で さっさと作ったゴハンが美味しいから

焚き火が ポカポカして 気持ちがいいから

自慢の道具やナイフを 活用できるから

静かな森の中で お湯割りでも呑みながら なんでもない会話をする そんな時間がいいから

狭いテントの中で 少しだけ熊に怯えながら ダウンを着て 暖かい寝袋で 眠るのが気持ちいいから


そして あっという間に朝が来て また火を起こし
コーヒーを飲みながら さっさと用意した 朝食が めちゃくちゃうまいから

そう 特にキャンプで作って食べる 朝食が 本当に美味しい

だから キャンプが好きなんである




古い友人と「最近キャンプしてねぇね」なんて 話していた


「どうせなら 死ぬまでに 100回キャンプしようぜ」

「年に4回でも 55歳じゃんね 年3回でも63くれぇか」

なんて 話していた


それぞれが 高いスキルやすごい道具を持っているわけではないが


それぞれが ソロキャンプしにきたくらいの ちょうどいいボリュームの装備で集う

をモットーに 三人で[One hundred camps]というキャンプチームを始めた

チーム と いっておきながら タイミングの合ったところで 
集まれる人だけで まったりやっている 


その強制しない感じが またいい





非日常を 感じるというよりも

リアルが充実してないことを選択し

そこで  ただ食う ただ寝る 

そんなシンプルで  人間っぽさ 動物っぽさを 
取り返す時間が キャンプにはあり

その時間の中で 「生きる」ということを たくさん感じられるから 

ボクは キャンプが 好きなんだ